ノート PC より講義の方を禁止せよ!
最近の大学教授は教室内の学生が集中している姿を目にする。ただし、その対象はノート PC なのだ。
最近、ある科学の教授が学生のノート PC を液体窒素で凍結させ、それを床で粉砕するビデオが公開され、YouTube でちょっとした話題になった。その教授は、「講義にノート PC を持ち込んで使うな!」と一喝している(果たしてこのビデオを講義中に見た学生は何人いるだろうか)。
講義とは、1人の話に聴衆が集中する教授法の1つだと定義されている。しかし、ノート PC は集中力を寸断する妨害マシンだ。講義とノート PC は相容れないものなのだ。
この問題は全体的に悪化しつつある。iPad が教室に進出しようとしている。これらは薄くて平面であるため見つけにくい。そして、安価なため多くの学生が入手するだろう。そして、少なくともノート PC と同じくらい注意散漫になる。
一部の教授は、講義とノート PC が根本的に相容れないという問題に対し、ノート PC を禁止することで対処してきた。しかし、もしかするとノート PC を残して講義を禁止する方が良いかもしれない。以下にその理由を述べる。
● 集中せよ!
多くにとっては、電子代替機器への対応問題は明快だ。代替機器を禁止すればよいのだ。
一部(おそらく大半)の学生がゲームをしたり、Facebook でチャットしたり、珍場面ビデオを探してサーフィンしながらノートを取るふりをしているのはおそらく事実だろう。
それに、教室内でノート PC を許可すると予期せぬ結果も招きかねない。その1つは、「二次迷惑」などと呼ばれるものだ。先日の Washington Post の記事には、ノート PC を開くと後ろにいる学生の気が散ると考える教師のコメントがあった。もう1つは教授の心理状態に関する問題だ。ノート PC のカバーばかりが見える教室に向かって話すことは、一部にとってかなりの不安になる。これは講義の質にどのような影響を与えるだろうか?
残念ながら、この問題は思ったほど単純ではない。
怠慢な行動を取る学生が一部にいる一方で、講義の記録や補足情報の参照に「OneNote」や「Evernote」などのノート用ツールを利用している学生もいる。意欲的な学生は学習システムを自分独自に加速させているのだ。
筆者には Kevin という大学生の息子がいるので、本稿のために、大学でのノート PC の使用方法について根掘り葉掘り聞き出した。
Kevin は自分の iPhone を使って講義を録音し、ホワイトボードや配布物の写真を撮る。ノートは自分のネットブックで Evernote を使って取っている。多くの若者同様、彼も書くよりもタイプする方が速い。講義を録音したものや写真をこのノートに埋め込み、読書課題のメモで補完する。すべてのコンテンツと資料が1か所にまとめられ、トピック別に整理されているため、試験勉強はさらに効率的になる。
Kevin は、暇つぶし用から、生産的だが学習を加速させることとは無関係の作業まで、あらゆる活動の準備を整えて講義に向かう。何をするかはすべて講義の質による。
彼は、講義には「完全な時間の無駄」から「一度に重要な情報が出過ぎる」ものまであらゆるものがあると指摘する。いずれにしても、彼のノート PC と携帯電話は有効な存在になっている。退屈な講義内容を一本調子で不器用に読むだけの教授もおり、それと同じ情報がネットで簡単に見つけられることもしばしばだ。Kevin は、質の悪い講義の間は自分のノート PC を使ってほかの講義の勉強をしたり、通常は講義時間外でしなければならない学習などをしている。
一方で、中身の濃い講義のときは音声と動画の両方のキャプチャ機能と高速タイピングにより、内容を何ひとつ漏らさず、講義内容をあとで復習することができるようになっている。
クラスで討論をするときも、Kevin は討論に関連するものをひっきりなしに参照し、それによって理解を深め、ほかの参加者よりも多くの情報を得ることができる。彼は、調べることをせず、「出席点を稼ぐため」だけに発言する十分な情報を持たないクラスメートに時間を無駄にされていると感じている。つまり、ノート PC を使わない学生がいるためにグループ学習のレベルが低下しているというのだ。
もしノート PC や携帯電話が禁止されれば、筆者の息子には学習の低下という影響があることは明快だ。彼のノートの完成度は低下し、学習時間も減るだろう。
Kevin はまた、何もかも電子的にキャプチャすれば、期末テスト終了後もノート、講義、および資料をすべて保管しておくことができるとも指摘する。彼は参考として、前期にキャプチャしたメモを Evernote で検索してくれた。そして、彼はこの資料を今後何年も手元に置くつもりだ。彼は、紙にノートを取る学生はノートを破棄し、教科書を売って、学期が終わると何もかも忘れてしまうことも指摘した。
筆者は、ノート PC で暇をつぶす学生は、それがないときは居眠りをしたり、メモをまわしたり、ほかのものを読んだり、いたずら書きをしたり、講義をサボると思う。
ノート PC を禁止しても、怠け者に集中させることはできない。意欲のある技術に精通した学生に打撃を与えるだけなのだ。
● 講義よりノート PC の方が良い理由
ジャーナリストで大学教授でブロガーの Jeff Jarvis 氏は先ごろ TED の講演を行い、そのなかで、学生がもはや存在しない組立ライン型経済の組立ライン型教育システムで製造される「部品」だった工業時代の遺物だとして講義の形式全体を徹底的に攻撃した。
教室の中の時間はすべて、「質問、疑問の投げ掛け、討論、議論、コラボレーション、理解やソリューションの探求に使うべきだ」と同氏は語っている。
http://japaninternetcom.pheedo.jp/click.phdo?i=8609e72ed4334b4768803569d1c265f9
「意気投合する」という言葉があります。
お互いの心と心が、ぴったり一致すること。
他人と心が一致するときほど嬉しいことはないですよ!
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