開発者の解雇に公正なケースなどない
参考1：Why Developers Get Fired（開発者が解雇される理由）
「どうして自分が？」
あの忌まわしい日にわれわれの会社が解雇した3人目の開発者となった Marissa を見つめた筆者の胃はキリキリ痛んだ。筆者の会社は合計30人のうち13人の開発者を解雇していた。チームの半数近くである。
最初の2人はこの知らせを冷静に受け止めたが、一段と難しい質問が出てきた。
筆者の不安は、これらの難問に対して素晴らしい回答がないという事実から来るものだった。このような不遇に追い込まれるようなことを特に何もしていない Marissa のような社員が、今まさに解雇されようとしているのはなぜか、というのは当然の質問だった。
彼女は周囲から好かれていて、コーディングも優秀だし、 クライアントからも評判だった。だが、最終リストに残るまでの過程は容易ではなく、完璧な内容ではなかった。
会社からの「人員整理通知」命令はおよそ1週間前に届いていた。会社が低迷しているのは周知の事実だった。うわさはあちこちから発生し、この週には気が気でない質問がチームから出ていた。
筆者が通常より頻繁に上司と密室で会議を行っていたことは明らかだった。われわれが非公開で何かをすることはほとんどなかったので、何か深刻な会話があったことになる。深刻な警戒感はなかったものの、自然とチームの半分が審理待ちの状態となっていたし、会社も前四半期に悲惨な結果を公表していた。
早とちりするのは容易だったが、今回の場合は完全に正しい結果が出ていた。
先の質問を受けた筆者は大きな苦痛を感じた。正直に対応したかったのだが、上層部からの命令で、完全な機密が必須であり、情報の流出があった場合は徹底的な調査を行うことが明確になっていた。
そこで筆者は、「ニュースを読んで欲しい。多くの技術企業が解雇に踏み切っているからいろいろな可能性がある」などとヒントを匂わせながら質問をはぐらかした。「すべての話を聞いているわけではない」というのがさらに詰め寄られた筆者の回答だった。
これは正確には真実だったのだが、その週の筆者は毎晩寝付けないほど知りすぎてもいた。
筆者の上司で、所属オフィスの責任者だった Steve は筆者に解雇者リストの作成を手伝うよう言ってきた。筆者に選択の余地はなく、ひどく気分が落ち込んだ。
これまでにだれかを解雇した経験がないわけではなかった。しかし、事前通告を行い、改善に向けた支援も実施した後に正当な理由があってだれかを解雇するのとは別の話だ。襟を正さない社員を解雇するのはさほど難しいことではない。
しかし、かなりの実績がある開発者のなかから、どん底の状態にあることが分かっている市場に送り出す解雇者リストを作成するのは、想像もできなかったほど狼狽する作業だった。
これらの開発者を採用して教育するのにかけた時間やコストなど、そこには明確な理由があった。一方で、関係は主に時間の経過に伴って築かれたもので、強制でもされない限り解雇することは一切ないといった不可解な理由もあった。
もちろん、今にして思えば、後悔した採用判断もいくつかあった。われわれは、惑わされるほど貪欲な市場のニーズを満たそうと果敢に人員を増やしてきた。そして、われわれのプロジェクトが1つずつ消え、売上も同じ道をたどった。国内市場はだれの予想よりも早く枯渇してしまったのだ。
そして今、われわれはその同じ人々を積極的に解雇しなければならなかった。われわれは、各開発者を評価してそれぞれの価値を格付けする重み付けの基準を用意した。
コンサルティング会社にとって、これの最大の原動力となるのは、いかにその人物から売上を上げ続けられるかだ。われわれは、年功、給与、過去の審査、転勤許容度（ほかの支社の方が業績が良く、プロジェクト要員に空きがあったからだ）などの要因も考慮に入れた。
われわれは、アプローチに私情を交えたり、話し合いの中に個人的な感情は差し挟んではならなかった。
われわれ2人がそれぞれの開発者の運命を決めたとき、揺れ動いた筆者の心は人を管理することの「喜び」にたどり着いた。筆者は人のキャリアパスを支援することや、プロジェクト関連の難しい判断が要求されたときに公平な橋渡し役を演じることは好きだった。
しかし、開発者から管理者になり、自分がキャリアの中で育てた人たちを解雇しなければならない場合があるなどとは夢にも思わなかった。
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鳥と共に歌い、風と共に生きよう。
どんなに発達した文明があっても、どんなに強い兵器を持っていても、
土から離れては生きられないのよ。
某アニメの主人公が言ったセリフです。
自然の力には人間は無力です。人間より自然の方が偉大だから、
だから自然の中で、自然と共存していかなければならないのです。
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