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若者にとって現実はすでに「拡張」されている

若者にとって現実はすでに「拡張」されている
未来派の人々が来るべき「拡張現実」の時代について話しているのをよく聞く。彼らが言いたいのは、携帯端末が場所やオブジェクトを認識するようになり、それらに関するデータをリアルタイムで提供するようになるということだ。そう、格好いいし、もうすぐそれが現実になる。しかし、これは若者にとっては今に始まったことではないのだ。

ティーンエイジャーにとって、すでに現実は完全に拡張されているのだ。

Kaiser Family Foundation は1月21日、8〜18歳の若者の生活におけるメディアに関する10年間にわたる研究の結果を公表した。その結果はショッキングなものだ。

この調査では、娯楽としてのメディア利用時間(勉強や仕事でのコンピュータの使用は含まない)が1日平均10時間45分であることが分かった。子ども達は同時に複数のメディアを「消費する」ことで、その時間を7時間38分に短縮している。テレビを含むすべてのメディアの消費量はこれまでも今も伸びているので、この数字は今後も伸びることが予想される。

スケジュールが許せば、若者は1つもしくは2つ同時に電子娯楽(テレビ、テレビゲーム、音楽)に心を奪われ、その合間に電子コミュニケーション(通常は携帯メールだが電話やインスタントメッセージングも含まれる)が入ってくる。

ほかに注意を向ける必要がある場合、ティーンエイジャーはバックグラウンドメディアを使って行動を拡張する。たとえば、テレビは食事中も電源を入れっぱなしの傾向にあり、宿題も音楽を聴きながらやる。

アクティブなテレビゲーム遊びはマルチメディア化に向かう傾向にあり、オンラインゲームでは実際におしゃべりやくだらない会話もできるようになっている。

人との付き合いでさえも電子機器によって拡張されている。若者は一緒にブラブラしているときも、ひっきりなしに写真を撮ったり、それを Facebook にアップロードしたり、その場にいない友人もメールを使って会話に巻き込んでいる。

別の Mediamark Research and Intelligence による調査では、2005年以降、6〜7歳の子どもによる携帯電話の使用が3分の1、8〜9歳の子どものそれが3分の2、10〜11歳の子どものそれは8割増加しているという。今では、米国の11歳の子どもの実に3分の1が携帯電話を所有しているのだ。これらの大半は携帯メールの利用が目的で、インターネットアクセスも多い。

New York Times は、若者とメディアの現状を「事実上、今の米国の平均的な若者は学校にいるとき以外、起きている間ずっとスマートフォン、コンピュータ、テレビなどの各種電子機器を使っている」とまとめている。しかし、起きていないときや、学校にいるときにも影響が出始めているのだ。

● ちょっと待て。まだほかにもある!

拡張現実が関与しない残りの活動(睡眠時や学校登校時)も大きく侵略されているのだ。

2010年はだれもが「タブレット元年」だと話している。それにはもっともな理由がある。Apple が同社初のタブレットを発売するなど、タッチ式タブレットは家電製品で最も熱い分野だ。低価格のテレビ、ビデオレコーダ、電子ブック、ネットブックなどの役割を果たすタッチ式タブレットにはいろいろな意見がある。

議論のなかで無視されている分野の1つが、タブレットの教育利用だ。筆者は、小中高の各学校が今後5年以内に電子ブックに移行するのはほぼ確実だと信じている。しかし、これらの電子ブックは Kindle のような電子ブックリーダではなく、Apple やライバル各社の汎用タッチ式タブレットで読まれるようになるはずだ。

それは、タブレットの方がノートを取ったり、ホワイトボードを共有したり、教育ビデオを見たり、学校の共同作業をするなど、関連する各種教育利用の利便性がはるかに高いためだ(ここに一例がある.)。それに、スケールメリットによって価格も専用の電子ブックリーダより下がるかもしれない。教室での勉強も、家での宿題も早急に電子化が進むことに疑問の余地はないと思う。

こうなると、生活のなかで若者が電子メディアの影響を受けない時間として残るのは睡眠だけになってしまうように思える。しかし残念ながら、既にそれも当てはまらなくなっている。どうやら電子メディアは睡眠の質と量に大きな影響を与えるようなのだ。

メディアは、子どもに夜更かしをさせている。2009年に Pediatrics というジャーナルで発表された調査によると、メディアに多数の選択肢があることが、子ども達が寝ないでテレビを見たり、ネットサーフィンをしたり、携帯電話で話をしたり、音楽を聴いたり、テレビゲームで遊んだりする動機になっているという。

しかし、夜中に携帯電話を使っていなくても電子メディアが睡眠を妨害することはある。欧州の研究者らは2009年、携帯電話を長時間(1日15回以上)利用するティーンエイジャーの方が、ほかの子ども達より眠りに就くにも眠り続けるにも問題があることを発見した。

また、この Pediatrics のレポートによると、メディアをマルチタスクで利用する人の方が睡眠に問題を抱えており、推奨される睡眠時間を取っているのは米国のティーンエイジャーのわずか20%しかいないという。

テレビゲームにも同様の影響がある。2007年に公開された調査結果によると、夜にテレビゲームで遊ぶティーンエイジャーの方が眠るまでの時間がかかり、記憶力の形成にきわめて重大な睡眠段階の時間も短いという。

携帯電話のヘビーユーザー、ながら族、ゲームマニアなど、これらすべての影響を受けるティーンエイジャーが増えていることに気付くだろう。彼らは少数派から多数派になりつつあるのだ。

ところで、先ごろの調査では睡眠不足が十代の鬱病に寄与することが分かっており、これらはすべてが悪材料だ。

● これらがすべて重要な理由

これらの傾向は若者が若者のような行動をしているだけだ、として軽く扱いたくなるが、筆者はこれらすべてが最終的には何かはるかに興味深く革命的なものになると思っている。まず、若いときに形成されたメディアの習慣は大人になっても持続する。両親がなんと言おうとも、時期などの問題ではないのだ。

もしこれが本当ならば、これがわれわれの世界に与える影響を理解する必要がある。

言及した調査によると、若者一人ひとりが前年より多くのメディアを消費しているという。Facebook や携帯電話が登場したからというわけでも、新しい利用パターンが出てきたわけでもはない。これは旅であり、われわれはいつまでもこれを続ける可能性が高く、ティーンエイジャーはさらに極端なトレンドへと向かい、成長するに従ってそれが成人の傾向にもなっていく。

今後5年のトレンドを見ると、小さい子どもやティーンエイジャーはメディアに24時間365日影響を受けるようになるという。小中高生のほぼ全員が音楽で目覚め、携帯メールやソーシャルネットワーキングをしたりテレビを見ながら朝食を摂るようになる。音楽を聴いたり携帯メールをしながら登校し、学校ではタブレットをはじめとする各種マルチメディア電子ツールを利用する。

放課後は友人と集まってお互い動画を撮影し合い、その場にいない友人とは携帯でメールをしたり、Facebook で連絡を取る。暇なときは常に会話や携帯メールをしながらテレビや映画を見たりテレビゲームで遊ぶ。夜遅くまで起きていて、さまざまな画面を利用する。友人からのメール着信で夜中に携帯電話が何度も鳴り、その音で起きて返信する。

新しいメディア漬けの世界に隠れているのは危機的な世界だ。睡眠や運動の時間を十分取れなくなると、子どもは肉体的にも精神的にも健康被害を受ける。今後、拡張されていない会話をすることや、メディアの世界に浸からずに一定時間を過ごすことは不可能になっていくように思え、それが不安を引き起こす。

今日の若者たちが社会に出てくると、若い社員がミーティングに集中すること、一度に1つの作業をすること、電子エンターテイメント抜きで数時間仕事を続けることを期待する年上の上司との衝突は不可避となる。

学校は、そもそも知識を得ることの価値を生徒に納得させるのに苦労するようになるだろう。Google のバイスプレジデント、Marissa Mayer 氏は、「大事なことは、何を知っているかではなく、何を見つけ出せるかである」と先ごろ語り、この考えを完璧に表現している。

幅広く普及した携帯端末に常にある事実を学び、記憶するのはなぜだろう? 知識は重要ではない。時間も、場所も、プライバシーもそうだ。

いずれ拡張現実と呼ばれるものが普及すると、人はそれにほとんど気付かなくなるだろう。現実はすでに拡張されている。そして、最も若い層のユーザーにとっては、その拡張の方が現実より一層現実的なのだ。


http://japaninternetcom.pheedo.jp/click.phdo?i=381d22d5f584a15da91e15cb61da1a38

スマップもまさかここまで国民的なグループになるとは
思ってなかったですね。第2のスマップは当分現れないでしょうね。
嵐とかいい線いってますけど、あんまおもろくないし、
newsとかもあんま幅広くなさそうだし、個人的にですけど。
まぁスマップが好きだと言いたかっただけですw


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