Web は死んだって? 冗談じゃない!
最近は、どうやら何もかもが死んでしまったようだ。Web、携帯電話による通話、マウス、電子メール、ジャーナリズム、そしてシリコンバレーまでもが死んでしまった。全滅である。
もちろん、実際にはこれらはひとつも死んでいない。しかし、さまざまなものに死を宣告するという人目を引く病的な手段は健在だ。
技術関連のゴシップ記事を紹介する「Valleywag」Blogの今週の書き込みによると、『WIRED』誌編集者の Chris Anderson 氏が次の号で「Web は死んだ」と宣言するという。同氏が言いたいのは、閉じたアプリからのインターネットアクセスが「オープンな Web に取って代わろうとしている」ので、「Web は死んだ」のだという。
しかし、雑誌『The Atlantic Monthly』のあるブロガーは、同誌の Michael Hirschorn 氏も「Closing the Digital Frontier」(デジタルフロンティアの終わり)という、何となく同じような記事を、その2か月前に書いていることを指摘している。 少なくとも、Atlantic には「Web は死んだ」という、インチキ言葉を使わないセンスのよさがあった。
まあ、どうでもいい。英国の新聞『The Sunday Times』も「The Web is Dead」(Web は死んだ)という見出しの記事を、2007年4月に書いている。彼らが書いているのは、Web 1.0 の死と「文明を破壊しているかもしれない」 Web 2.0 の登場についてだ。
あまりに大げさだろうか?
一方、ほかの技術もどんどん「死んで」いっている。
短命に終わった Microsoft の「Kin」や人気の高い「Google Nexus One」は本当に死んでしまったが、『BeatWeek Magazine』が公言するように、Apple の「ホワイトモデルの iPhone 4が死んだ」というのは事実ではない。やや遅れているだけだ。
『WIRED』誌の Clive Thompson 氏は先ごろ「携帯電話による通話の死」について書いている。同氏は、携帯電話による通話は頻度が低下し、時間も短縮されているので「携帯電話を使った通話には死が近づいている」という意見なのだ。
Apple の新しい Magic Trackpad ポインティングデバイスに関する『Cult of Mac』の最新記事では、失敗したラボ研究員の間でよく使われる「マウスは死んだ」というフレーズがトップを飾っている。
また、「TechCrunch」も同じことを書いている。
(ZDnet の Jason O’Grady 氏は異なる見解ながら、同様に病的な意見を書いている。「The Magic Trackpad plus the iPad will kill the MacBook(Magic Trackpad と iPad の組み合わせは MacBook を殺す)」という。やれやれだ。)
電子メールも、何年も前から死んでいる。Google でこのフレーズを検索すると「およそ40万件がヒットする。もちろん、読者や筆者が毎日電子メールに費やす時間を考えると、想像もつかないことだ。希望的観測、といったところだろうか。
Motley Fool の Jordan DiPietro 氏などは、「シリコンバレーは死んだ」とまで宣言しているが、そこに住んでいる筆者にとってはひどいニュースである。同氏曰く(スクープを横取りしないように!)、メーカー各社は中国に移り、昔のシリコンバレー企業は「工場を建設しなくてはならない」という。
個人的には、シリコンバレーをほかの地域と差別化したのは、アセンブリラインではないと思う。
いずれにしても、2003年には「Larry Ellison 氏もシリコンバレーは死んだと宣言した。同氏の(常に利己的な)ポイントは、Oracle などの巨大企業を脅かしていた闘志満々の新興企業のシリコンバレーが、ほとんど過去の遺物となってしまった、という。これも希望的観測である。
技術は死につつあるだけでなく、ほかを殺そうともしている。まず第一にジャーナリズムだ。「ジャーナリズムは死んだ、「印刷は死んだ」、さらには「フォトジャーナリズムは死んだ」である。もちろん、ジャーナリストがジャーナリズムの死について書いているものは良く目にするだろう。
また、あちこちにあるタブレットや携帯電話を「iPad キラー」とか「iPhone キラー」とか公言する記事もなくならない。このインチキの数を数え始めたら、あまりに多くて数え切れないほどだ。
Twitter などは、「`80年代にお父さん役で活躍し、Jell-O のスポークスマンを務める Bill Cosby」を先ごろ抹殺してしまった。先の週末に Twitter で最も人気だったのは「Cosby の突然の訃報」だったが、その後 Cosby 自身が CNN に出演して否定した。また、Cosby は最近 Twitter で死をうわさされた有名人の1人に過ぎない。
有名人の死に関する間違ったうわさは、Twitter 版チェーンメールだ。それを作成する人間は注目されたくて行動に出るのだ。
筆者がこのことに言及したのは、注目してもらうための非創造的で怠慢な手法として、いたずら者たちが有名人を「殺す」のと同じ理由で、ライターや編集者が技術を「殺す」からだ。圧倒的なシェアを持つ技術が死んだなどというリンク狙いの宣言は、有名人に関する嘘をつくチェーンメールの件名や Twitter のつぶやきとほとんどかわりない。
そのマイナス面は、それが読者を鈍感にさせ、彼らに期待に対する再調整を余儀なくさせることだ。たとえば、「Google Wave is dead」(Google Wave は死んだ)などと書く場合(スタンドアロン製品としての Google Wave 開発中止を Google が発表し、これはたまたま事実となったが)、たまにしかブラウジングをしない人たちは、どうせだれかが大げさに書いているのだろうと決め込むかもしれない。「オオカミ少年」効果が出るのだ。
また、風変わりなヘッドラインの「命名競争」のようなものが勃発する可能性もある。昨日の「オープン Web にかかる圧力」というヘッドラインが今日の「Web は死んだ」になり、明日には「一斉攻撃を受けて Web 全滅」となる。そのようなことはだれも望んでいない。
ライター仲間よ、専門家たちよ、ジャーナリストよ、編集者やコラムニストよ、だから「何とかは死んだ」というごまかしのヘッドラインは使うのをやめようではないか。
1939年制作の「オズの魔法使い」 でマンチキンの検死官を演じた俳優の Meinhardt Raabe (2010年に他界)の名誉のために、実際に死んでいない何かの死を宣言する行為は、モラル的に、倫理的に、精神的に、物理的に、明確に、間違いなく、紛れもなく、そして確実に「死んだ」と筆者は宣言したい。
http://rss.rssad.jp/rss/artclk/IpzPL9ZuTgAc/005a6f20fa3cf4f98996bbecbb9890c9?ul=vFqqoHypzqiYEwLtBdj7CPPiIzC7Kiy5OtTGCJ0XtstaFEE1r8y9Bzkk6yjHuZuJZ90vyBUkifPg9qu4_RZCH6ZzehrE
「穴が開く」という言葉がありますね。
損失や不足ができる。手順通り運ばないで、空虚な時間、
間の抜けた場面ができる。定員の一部が欠けたり、担当者が
いなくなったりする。ということ。
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