POS データと eCRM
POS システムでは One to one マーケティングの実現が難しいことを前回述べたが、この欠点を解決する手法として、FSP(Frequent Shoppers Program)が登場した。
FSP とは、会員登録した顧客が、買物の度にポイントカードを呈示することによりポイントが溜まる仕組みで、航空会社のマイルなども同様な考え方だ。企業は各会員の購買実績を把握できるので、優良顧客の固定化や通常顧客の優良顧客化などを図ることができる。購入金額や来店頻度に応じて顧客をランキングし、セグメント別にサービスや特典を変える。こうすることで、セグメントしたターゲット層に効果的な施策を講じ、優良顧客の維持・拡大をはかることができるわけだ。
このプログラムの導入によって CRM における代表的分析手法である RFM 分析なども実現され、POS システムでは難しかった「誰が買ったのか」を把握することができるようになった。しかし、会員になるための「個人情報登録」という手続きに対するハードルが高く、また数多くのポイントカードを持つようになったため結局はあまり利用されないという問題も起き、どの企業でも充分な活用ができるわけではなかった。
POS システムと FSP との根本的違いは、購買データに個人 ID が紐付いているかどうかである。POS システムでは「何を買ったか」は分かるが「誰が買ったか」を個人レベルで把握することは難しいが、通信販売の場合、基本的には決済や配送のために住所やメールアドレスなどの個人情報を取得することになるので、購買データに個人を特定する情報が紐付いている。従って、ダイレクトマーケティングとの親和性が非常に高く、One to one マーケティングを実現しやすい。
しかし、1人ひとりに異なったカタログを送付したり、その人専用のダイレクトメールを送ったりすることは印刷コスト等の問題があり、現実的にはいくつかのセグメントに分けグループとしての対応をせざるを得ず、真の One to one が実現できている訳でない。確実にマスマーケティングから One to one という変化は起きているが、リアルの世界ではまだまだであろう。
ところがインターネットを活用した eCRM の場合、カタログ印刷や DM 印刷等の紙のコストがかかるわけではないので、1人ひとりに異なった商品を案内するメールを送ることも可能であるし、マイページのような個別対応のページ作りもできるようになっている。さらに、昨今の Web 技術の進化により、消費者が能動的に登録作業をしなくても、顧客の購買行動を個別に把握できるようになった。
それが「Cookie」の活用である。
Cookie とは、ユーザーに関する情報やサイトを訪れた日時やそのサイトの訪問回数などの行動履歴をユーザーの PC に記録しておくことができる仕組みで、ユーザー認証システムやサービスをユーザーごとにカスタマイズするパーソナライズの要素技術として利用されている。一度入力したパスワードを再度入力しなくてもそのPCが覚えていてくれるのは、この Cookie のおかげなのだ。
Cookie の登場は、インターネットマーケティングにおける One to one を実現する上で、極めて大きなブレークスルーである。購買データに個人 ID が紐付いていることの重要性は既に述べたが、さらに個人 ID に紐付いた行動ログが個人情報の取得やログインなしでも取得できるという意味はとても大きい。顧客がどのような経路でそのサイトにたどり着いたのか、どのような商品に興味を持ち、どのような商品と比較検討したのか、一度カートに入れたけれど購入しなかった商品は何なのかなどの詳細な行動履歴データが取得できるわけだ。
顧客が求める最適な商品や情報を個別に提供することが、One to one マーケティングの要諦と言っても過言ではない。ドラッカーは代表的著書『マネジメント』の中で、「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」と述べている。では、どのようにすれば、顧客を理解した上で、製品とサービスを顧客に合わせることができるのだろうか。
顧客と商品や情報の最適なマッチングさえ実現できれば、効率のよい販売ができる。そのためには、顧客と商品・情報への深い理解が必要だ。顧客をより深く理解するには以下の4つのデータが必要だ。
1.人口統計的データ
2.心理的データ
3.行動履歴データ
4.コミュニケーションデータ
一方、商品や情報を理解するデータも4種類ある。
1.分類データ
2.数値データ
3.テキストデータ
4.画像・音声データ
これらデータの詳細に関しては、次回以降に説明したい。
(執筆:株式会社ALBERT 代表取締役会長 山川義介)
記事提供:株式会社ALBERT
http://japaninternetcom.pheedo.jp/click.phdo?i=9a5e1928e4dabe206a5f4ea88363b17a
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