あの開発者は雇うな
「もし自分が経営に関与していたら、ソフトウェア開発者はこれ以上雇用しない」
かなり激しい言い方だと思った。この厳しい経済状況のなかですばらしいソフトウェア関連職を見つけた私は、新しい仕事に大喜びで、この幸運な話を酒を飲みながら友人の Sam に話そうとしているところだった。
Sam には筆者と同様のソフトウェアスキルがあったが、私が新たに見つけ出した機会に対する、彼の解釈は異なっていた。
「いやあ、どうしてもボクにはどの仕事もチャンスだとは思えない。自分が請負うのでないかぎり、仕事をもらうことには意味がないと思う。われわれがいるテクノロジー業界では、ほぼすべての仕事がプロジェクト主導だ。プロジェクトの終わりがくると、自分がオーバーヘッドと見なされるリスクが発生し、それが文字通り、生きるか死ぬかの分かれ道となっていく」と Sam は話す。 その晩の私は、そんな話を聞くムードではなかった。このとき、だんだん腹が立ってきていたことを認めざるを得ない。通常、Sam は人を怒らせるようなタイプではなかったが、その晩は、私の朗報（少なくとも自分は朗報だと思った）を聞いて、珍しい反応を示しているように思えた。
「いいだろう。ボクは、アプリケーション開発に膨大な予算を投じ、IT 専門家の就職希望先の上位に常に位置し、Fortune 500 にランクインする会社に就職したばかりだ。それなのにキミは、それをあざ笑うのか？ どうしてもっと祝ってくれないのだ？」と反撃に出た。
Sam はつまみを食べながらあきれた表情をした。 「『こんなにいい仕事に就いたんだぞ』という幸福感を台なしにするつもりはないけれど、何もかも知ったかぶるつもりもない。知ってるとは思うが、ボクはもう2年ほど前から契約をもらっている。それで、とても満足している。それに、（特に技術者にとって）社員になることは大方間違った方針だとも思っている」と彼は言った。
「間違った方針だって？」と、私はやや懐疑的に尋ねた。
「職業を安定させるためには、間違った方針だということさ。たとえば、もしボクが会社の正社員になったら、それで本当に契約社員より固定収入が多くなるだろうか？ リストラされたり、いつでも解雇される可能性はあるが、仕事を請負っていれば、自分の運命を自分がもっとコントロールできる」とニヤニヤしながら、断固として主張した。
私は、「真剣に言っているのかい？ ボクがもらう給料には団体健康保険や、それに対応する401k プランも含まれている。最新技術の有料トレーニングも受けている。でも、キミは、自分が働いた分の金額しかもらえない。さらに悪いのは、契約が切れるとお金ももらえなくなる点だ。ボクはそれでも給料をもらえるが、キミの方は次のプロジェクト探しを必死に進めながら、預金を取り崩して必要な経費を支払うんだ」と語った。
「いいだろう。雇用されているメリットは認めるが、会社に解雇されてしまったら、契約社員のように常に職探しをしている訳ではないから、そっちのほうが次の仕事を見つけるのは難しい。それに、管理者としては、コードを書かせる目的では社員を雇わない、というのがボク独自のポイントだ」と彼は語った。
「その代わり、ボクなら、必要なときだけリソースを確保する。ボクらは結局これだけの存在だ。ボクらは会社がサービスを必要とする限り目的を遂行する。そして、別のニーズに対応できなければ、ボクらは重荷になってしまう。とにかく、経済悪化後に企業が人を雇いたがらない理由は何だと思う？ 答えを教えよう。目先が利くからだ」
私の意見はまだ変わらず、さらにイライラしてきた。
そして、「企業が正社員の開発者を雇うべき理由はまだいくらでもある」 と言った。
Sam はビールを飲みながら微笑み、「いいだろう。いくらでも聞くよ」と言ってきた。
筆者はバーのイスの上で身を乗り出し、「まず、企業はプロジェクトが終了する度に、新しいチーム作りのために時間やコストを浪費する必要がない。きわめて重大な新システムの開発やカスタマイズのために契約社員を集めた場合、彼らが出ていけば、プロジェクト期間中にこれらの開発者が獲得した知識は失われてしまう」と言った。
「これらの社員は、プロジェクトが連続するなかで組織の貴重な知識を集める。それだけでなく、彼らは組織内のチームをはじめとする各方面との関係も構築する。マネージャとしてはその凝集性を高く評価し、幹部もそのような『リソース』を軽々しくは切らないと思う」
Sam はあきれた表情をして、「なるほど。だから彼らはキミを雇用したわけか。キミは、経営者が社員全員を洗脳するために使うたわごとを信じているのか」 と言った。
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私は小さい頃を水泳習っていました。
水泳はエクササイズにもいいですよ〜。体に負担がかかりにくい
有酸素運動ですし、お勧めです。
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