Microsoft から学ぶ：Bill Gates 氏が復帰できない理由
Microsoft が伝えるところによると、Microsoft の方向性に不満を持つ一般社員が Bill Gates 氏の復帰を求めているという。
彼らには同情する。筆者も数十年前に IBM の方向性に不満を持ち、Thomas Watson Jr. 氏の復帰を期待したひとりだった。そして当時、同氏には復帰を求める社員から手紙が殺到したと思う。
同氏の復帰は Bill 以上に難しかった。同氏の知る IBM は死んでしまい、それを作り上げた同氏の情熱も消えていたからだ。ここ数年、筆者は創業者の引退と復帰を見てきた。成功（Apple など）もあったが失敗の方がはるかに多かった。その理由を探求していきたい。
創業者は神ではない
物事がうまくいかなくなると人は良かったころのことを思い出し、会社の成功を経営していた人物と結びつける。悲しいがおかしなことだ。
だが一般的に、成功は当時在籍していた社員の幅広いスキルの適合、市場、そして顧客との関係に負うところの方が大きい。そして、会社が問題を抱えているときも一般的には複数の問題がある。市場は変化し、顧客はほかのベンダー各社との関係も構築し、会社を作った人々も次のステップへ進んでいった。
競争力を失ったためにシーズンの負けが込んできたレーシングカーを所有しているのと同じように、ドライバーやタイヤを交換するだけでは問題を解決することはできない。成功した最高経営責任者（CEO）を復帰させることは、会社を経営難から救うための解決策ではない。
彼らは、自分たちが去ったときよりはるかに複雑化し、救世主というよりむしろ脅威として彼らを見る幹部のいる会社に戻り、同じように見えながらも大きく異なる市場に直面することになる。
社員からは、創業者が魔法をかければ会社が復活するという期待がかかる。確かに、最初はモラルも上がるだろうが、魔法が効かなければ、失望と幻滅がメリットをすべて帳消しにしてしまう。 Gateway の創業者が復帰したときの周囲の人たちに話を聞くと良いだろう。
会社を創業することと再建することは違う
筆者は企業の創業にも再建にも参加し、成功も失敗も経験してきた。会社の再建と創業には類似点もあるが、大きな違いもいくつかある。そして、これらの違いにはかなり異なるスキルが求められるのだ。
企業の創業を得意とする幹部には、製品知識、 品位、恩義に応える気持ち、忠誠心を意のままにする能力、そして相当なカリスマ性という大きな武器がある。
一方で、再建の得意な人物にはこれらのスキルに加え、個人的な感情を捨てて、最初は多数の敵を作ることになるであろう判断を下す力と、個人的な関係よりも会社のニーズを優先する力が要求される。
筆者は先ごろ、会社再建の一般的なプロセスについて書いているが、そのプロセスが「認識」から始まることを分かっている人がほとんどいないことには相変わらず驚かされる。
会社を創業する人物には、その会社の専門に関する深い知識が必要だ。一般的に、この点は再建役の人のメリットにもなるが、人を奮起させる力、ビジネスプロセスを理解し、そして貸借対照表を読み解く幅広いビジネススキルのほうがさらに重要だ。
この両者が活動する環境は異なっている。創業者は（成功を収めている間）信頼の環境で活動し、社員の忠誠心は当然のものとしてある。再建請負人は不信の環境で活動し、忠誠心は、築き上げ、獲得しなければならないものだ。
筆者は、創業者は何らかの強みを持った情け深い帝王に近く、再建請負人は武将のようなものだと思っている。いずれも戦うことはできるが、武将の方は戦いが人生のすべてだ。
逆に、会社が再建請負人を必要としているときは、情け深い帝王では、必要だが本当に厳しい判断は下すことができず、武将が成功すれば関心を失うか会社を破綻させてしまうことになる。仕事に適したスキルを選ぶということが必要なのだ。
Carly Fiorina 氏と Mark Hurd 氏
スキルセットの違いを示すものとして、Carly Fiorina 氏が HP の経営に乗りだしたのに、実際に同社を再建したのはそれを引き継いだ Mark Hurd 氏だった、というケースが好例の1つとしてある。
Carly は再建請負人として招かれたが、この問題に対しては、会社を創業もしくは維持しようとするマネジャーのようなアプローチをとったように思える。同氏は当初、新鮮な空気とビジョンを持ち込む創業者のような歓迎を受けた。同氏はうまくデビューし、希望と必要な変化を極めて明確に約束した。
しかし、同氏には指令能力が欠けていた。同氏は周辺に信頼できる人物を置かず、周囲に配置した人物の面倒を見ることもなかった。その結果、同氏は裏切りにあってしまったが、筆者には何が起こったのかを同氏はまだ理解していないと思う（同氏は著書のなかで取締役会を非難しているが、取締役会は同氏の身内の言いなりだった）。
一方、Mark Hurd 氏は当初だれ一人信頼せず、自分に忠誠を尽くす人々を帯同し、全員に圧力をかけて従わせ、強力な事業ファンダメンタルズに重点を置いた。Carly は自身の報酬や特典にやや重点を置きすぎたようだが、これは余談だ。
皮肉なことに、HP 再建のために実施されたことの大半は、Fiorina 氏が思い描いたビジョンと一致したものだったが、同氏は単に仕事を成し遂げることができず、（回避できていたのに）委任状争奪戦で追放寸前まで追い込まれた。
ここで新情報をひとつ。HP による Compaq 合併が大失敗でなかったことを確信させたのが、この委任状争奪戦だった。これが良好な合併プロセスの推進力となったからだ。委任状争奪戦で勝利するために強力な合併計画が必要だったら、このようなことは起こらなかった。
http://japaninternetcom.pheedo.jp/click.phdo?i=61708c19e9cf400110bdf03323873d66
自然は大切。
ほんと、人間はあとどれくらい地球で生きていけるのでしょう。。
コロニー作って移民するんだろーか、、。
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