【ad:tech tokyo】 デジタル化した社会で企業と消費者はどう向かい合うべきか
デジタルマーケティングの国際カンファレンス「ad:tech tokyo 2010」が10月28日、29日に開催され、シティバンク銀行株式会社チーフ・マーケティング・オフィサーの Caleb Hunt 氏のクロージング・キーノートスピーチ「『デジタル・マーケティング』か、それとも『デジタルの世界に向けたマーケティング』か?」で幕を閉じた。
今年の ad:tech tokyo の各セッションでスピーカーから語られた意見で最も多かったことは、「企業は消費者の声を聴くべきである」、「企業は消費者の求める価値を提供するべきである」、「企業は消費者が豊かになるエクスペリエンスを提供するべきである」という言葉だった。つまり、企業は真摯な姿勢で消費者と向き合い、語り合い、消費者のニーズに応えることで企業と消費者のリレーションシップを強めることが重要なのだ。
また一方で、このことは「デジタルマーケティングだから」生まれた課題ではない、という意見も多く聞かれた。「企業と消費者のリレーションシップ」は企業が当然追求してきたはずであり、企業のマーケティング活動の本質であるはずである。
インターネットの登場で企業のマーケティング活動はすべてが可視化されるようになり、その方法論が一変したことは確かである。しかし、「ページビュー」「クリック数」「トランザクション数」など企業が手に入れた指標そのものに視点が集中してしまい、コミュニケーションよりもテクニックを偏重するようになってしまった。その「数字を動かす」ことそのものがマーケティングの本質になってしまったのだ。
インターネットというスペースにおいては、企業は消費者の顔や感情を伺うことが難しく、そこで消費者が動くことは数字でしか測れなかったが、彼ら消費者は嗜好性、意見、感情を持った人間であり、ロボットではない。その大前提に対して盲目になってしまい、マーケティングの本質である「顧客のニーズを聴き、それに応えるイノベーションを生み出す」ということに不真面目になってしまったのではないだろうか。社会のデジタル化が成熟し、ソーシャルメディアという「新しい」しかし人間の本質的なコミュニケーションの登場によって、企業はその本質の存在に改めて気が付かされることになったのだ。
冒頭に紹介した Caleb Hunt 氏は講演の中で、今の世の中にとってデジタルは「水」であると語った。つまり、私たちにとってデジタルは「新しいもの」ではなく、「私たちの生活そのもの」であるのだ。そこで企業に求められることは決して新しいことではなく、大昔から実践されてきた企業が真摯に顧客と向き合うという作業を、デジタルによって更に豊かなものにすれば良いのだ。これは、企業には顧客の声に応え、顧客に企業の製品、サービスを楽しんでもらうという「おもてなしの心」とも表現できるのかもしれない。Caleb Hunt 氏は、「会話にはエチケットが必要だ。私たち企業は、消費者に何をすることを許されているかを考えなければならない。」という表現を示した。
デジタルの世界には、新しいテクノロジーが無限に生み出され、テクニックも追求され続けている。しかし、企業は膨大に増える消費者とのタッチポイントの中で、何が「顧客の声に応える」ことに対してベストな選択かを考えなければならない。例えば、自社の製品の魅力を顧客に適切に伝えるためにはインターネットよりも屋外広告や店頭のほうが適切かもしれない。それならば、「流行」に流されるのではなく、それを真摯に実践し、店頭や屋外広告でイノベーションを生み出せばよいのだ。
そして、この「コミュニケーションの在り方」に対して課題に挙がったのは、「そこから生まれた効果をどう評価するべきか」ということだ。企業は、この10年間依存してきた「PV、CTR、CVR」といった指標に代わるシンプルで、新しい指標を模索しなければならない。
インターネットは数字が動く世界ではなく、人間の感情が動く世界である。その感情の動きが様々なアクティビティとどのような相関性でつながるのか、その方程式を導き出すのは簡単ではない。しかし、それは業界で統一された指標の確立を急ぎ、マーケティングから消費者の存在を追い出してしまえば、本末転倒である。企業と消費者の間で行われる様々な会話から、様々な個別具体的な効果を導き出し、それを業界内で共有するという作業の積み重ねでしか答えは生まれないのではないだろうか。
インターネット上でのマーケティング活動は、「結果」を起点に考えられることが圧倒的に多かった。それ自体、否定するものではなく、マーケティング活動は常に ROI を意識したものでなければならない。しかし、それ以上に大切なのはマーケティング活動によって企業と顧客の間にどのような関係を生み出すかと「前提」を考えるということであり、その課題をクリアできればデバイスやタッチポイント、テクニックが活き、マーケティング活動は成功へと導かれるのではないだろうか。
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「遺憾千万」という言葉があります。
ものごとが自分の思い通りにいかず、とても残念に思うこと。
非常に心残りであること。また、口惜しくてならないこと。
気持ちわかりますね〜〜。。
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