Hurd 氏と Oracle の相性が悪い理由
今の IT 業界は、同意しかねる判断から生まれたドラマであふれている。その最新のものが、HP の元最高経営責任者(CEO)である Mark Hurd 氏を招き入れた Oracle の判断だ。
このイベントを全体的に見た筆者はホームコメディやリアリティ番組風の記事を書いたが(今のきちんとした仕事を辞めるつもりはないのでご安心を)、これは社員のスキルと仕事があまりにもあっていない、ひどい事例でもあるかもしれない。
ではドラマの話から離れ、ここで Mark Hurd 氏と Oracle の組み合わせが悪い理由を説明しよう。
Mark Hurd 氏の過去
HP 在籍時、Mark Hurd 氏は、ほかの大半の幹部を越える業務遂行能力を持つ幹部という位置づけだった。だがその後、われわれは、同氏が実際はかなり違った人物だったことを知った。Hurd 氏が示したスキルは、複数の企業をひとまとめにして売却するのが専門の幹部により近いものだったのだ。
NCR (Hurd 氏が HP 社入社前に在籍した)と HP の両社において、同氏は極端なコスト削減を実施しながら、その一方で自分の収入は引き上げようとした。
これに金融関係者は行列を作り、モラルを唯一無二の問題と考えてあらかじめ織り込む買い手側企業は、わずかになってしまった。そして、買収が完了すると Hurd 氏のような幹部は次のプロジェクトに着手するが、社員の愛社精神欠如問題の解決には、他人が任される。これは業界有数の収益性を誇る仕事だが、社員に対する悪影響を考えると、かなり冷酷な人間でなくては実行できない。
NCR は以前にも売却されたことがあるが、これは旧 AT&T とっては最悪の結果を招き、買収は破棄された。つまり、再度の買収は難しいことになる。そして、Dell もある時点で買収を検討したようだが、それが実施されることはなかった。
HP はひとまとめにして売りに出すことを目指していたわけではないが、Hurd 氏は同社をまとめる作業をかまわず実行した。同氏は同社の価値を、売り手にとって大幅に高いものにしたが、その過程で、R&D や愛社精神のほとんどを HP からはぎ取ってしまった。
短期的利益を得る(販売戦略との整合性はある)ために Hurd 氏は長期的成功を代償にしたのだ。このことは、売却を考えていない会社の CEO に Hurd 氏抜擢するのが誤りであったことを(事後になって)披露した。
会社立て直し担当 CEO としてHurd 氏以上の人物はいないが、会社を売り払うのではなく築き上げたいときに連れてくるタイプの幹部ではない。
Oracle の問題
Oracle は Sun Microsystems に関連して巨大な問題を抱えている。Oracle が買収したとき、Sun はプロプライエタリなハードウェア戦略からオープンソースソフトウェア戦略に切り替えたものの、それがあまりにも大変であることに気付き、行き詰まっているところだった。
買収プロセスもあまりまとまりがなく、欧州連合の妨害もあって問題が悪化した。Sun からは有能な人材が大量に流出した。そして、Oracle が買収を完了するころに会社に残ったのは、存続不可能だと多くが口をそろえる、うわべだけのブランドと製品だけだった。
要するに、彼らが何よりも必要としているのは、創立者のスキルセットなのだ。彼らに必要なのは、クリエイティブでやる気に満ちた人材を集め、彼らによる新会社の立て直しを支援できる人物だ。Oracle と Sun の要素を備え、IBM、HP、Dell、Microsoft、そして Acadia の各社と効果的に競合できる会社なのだ。
彼らに必要なのは、Andy Grove 氏、Bill Gates 氏、Steve Jobs 氏、Ken Oshman 氏、Larry Ellison 氏、Joe Tucci 氏、あるいは Thomas Watson Jr.氏のような、それぞれの企業を発展させ、愛社精神の強い社員を育て、自分たちが選んだ当座の市場を独占すべく各社を戦略的に推進するスキルを持った幹部なのだ。
Ken Oshman 氏に言及したのは、戦略的なものの考え方をした場合、同氏の通信会社である ROLM の絶頂期は実行可能なことの典型例だったからだ。また、これを忘れて短期財政目標に重点を置くと何が起こるかの参考にもなる。同氏が退社し、IBM と Siemens による買収後、同社が破綻した理由の大半が、そこにあるからだ。
まとめ
戦術のために戦略が犠牲になる Hurd 氏のスキルセットは、Sun がまとめて Oracle に売却されるときには素晴らしいものだっただろうが、現状の回復期においては失敗に終わる可能性が高い。
Hurd 氏が社員の手当や給付金の大半をカットし、コストの安い地域に仕事を勝手に移動させてしまうと考えると、会社にとって重要な社員たちも Oracle にとどまりたくなくなるだろう。有用な社員を集めるのはさらに困難になるだろうし、集まっても「溺れるものはワラをも掴む」ものばかりで、強い愛社精神を持つ可能性は低い。
これはスキルの組み合わせが適しておらず、Larry Ellison 氏ならば回避するようなことだ。しかし、まず最初に Hurd 氏が衝突した人物の獲得、次にその問題への対処法について Larry Ellison 氏からアドバイスを受けたことが、Hurd 氏の解雇につながった可能性がどんどん高まっていると思う。これらの組み合わせが解雇につながったのだ。 結果的に、これは主に Mark の人生を狂わせたことに対する Larry の埋め合わせだと考えている。もしこれが正しいなら、次回は単純に花束とお詫びのカードでも送ったほうが賢明だと思う。
本記事論評とその見解は筆者一人のものであり、Internet.com の意見を反映したものではありません。
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